【課題】5.30の3つのコンセプトによる大改革

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KsFESTA4の神興行から新学期が始まり、

1回目のWGPのガードが発表されたが、今回の興行は3つのコンセプトの元で行われる

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・原点回帰

・ワンデートーナメント復活

・未来のスターの青田買い

 

まずこれらの3つのコンセプトは、全て別々ではなくワンセットであるという事

 

①原点回帰

中村氏曰く、

「新生K-1の旗揚げ戦の気持ちを思い出して、ここから新しいK-1を作っていくんだという気持ちで開催します」

という事であるが、KsFESTA4で記憶に残る神興行を打ち立てて迎えた新学期という事で、初心に帰りまた新しいものを作っていくというマインドセットをやるという事だろう

では新学期のWGPのネタは何をやるのか

 

②ワンデートーナメント復活

現体制として日本トーナメントをやったのは、5年前階級が5kg刻みだった頃のSライト級、Sフェザー級でそれからはいきなり世界トーナメントの流れだったが、コロナ騒動により外国人選手の招聘が困難な為ワンマッチのみで構成した中での機会だったのか、日本トーナメントでのスタートされる

おそらく外国人選手が招聘できない今、次の各地方大会も日本トーナメントがメインになってくると思う

では、今回の大田区大会は誰を使うのか

それが

 

③未来のスターの青田買い

まずK-1アマチュアトップが9割と最も多く、未来のスターが最も揃っている階級がWGPで新設されるバンタム級となる

真っ白な状態のWGP新階級のバンタム級日本トーナメントで、選抜メンバーは全員アマチュアAクラス、甲子園、カレッジのアマチュアの各カテゴリーのトップ勢を集結させる形となる

今回のバンタム級トーナメントのメンバーを見ると、

 

橋本実生→

第7回K-1アマチュア全日本大会 チャレンジAクラス -55kg王者
大村修輝→

K-1甲子園2020 -55kg準優勝、

第11回K-1アマチュアジュニアトーナメント覇者
壬生狼一輝→

第7代Krushバンタム級王者

野田蒼→

K-1甲子園2020 -55kg王者
松本日向→

K-1カレッジ2018 -55kg王者
鵜澤悠也→

DREAM KHAOSバンタム級トーナメント覇者、第27回K-1アマチュア チャレンジAクラス -60kg覇者

黒田斗真→

K-1甲子園2018ベスト8

池田幸司→

K-1カレッジ2019 -55kg王者

大石和希→

第8回K-1アマチュア全日本大会 チャレンジAクラス -55kg王者

豊田優輝→

K-1カレッジ2019 -60kg王者

 

このように、プロのみならずK-1アマチュアの各カテゴリーの王者が総出で集まり更に出場者全員がK-1アマチュアから出ているという興行をこの新設された階級で行う事となる

 

まとめてしまうとこの3つのコンセプトは、「これからのK-1K-1アマチュアでトップになった者がスターになる時代だよ。その記念にここで日本一を決めようか」という事になる

 

そしてこの3つのコンセプトの宣言は、

今回の興行に限らずこれからのK-1Gの改革宣言でもある

今の体制で最も理想とする状態でのスタートと同時に、大田区大会に限らずこれからのK-1G全体的にも大々的な改革が行われる事を宣言される事になる

この3つのコンセプトによって何が起こるかというと、

 

①アマチュアトップのプッシュアップ

現在のK-1Gの各興行のプレリミナリーやKrush.EX、KHAOSでデビューするのは殆どK-1アマチュアAクラス王者、甲子園、カレッジ上位入賞者で、そこから大体3勝程すればKrush本戦に進める流れだったが、これからはデビュー戦でWGP本戦に進む流れも増えてくるだろう

これだけ聞くと、

「もっと実績を積ませるべきだ」、「もっと大事に育ててあげて欲しい」という声もより増えるだろうが、まず3年以上前のプレリミと今のプレリミを見比べてみればわかるが、断然今の方がレベルが上がっていて、じゃあ誰がレベルを上げてると言われたらこのアマチュアのトップ勢となる

K-1Gのプレリミナリーはプレリミナリーのレベルでないと常々言っているが、このようにK-1アマチュアのトップはそれだけレベルが高いという事

またアマチュアのキャリアがなかったり、適当に数戦やってデビューしたプロや、勝率の良くないプロに対しアマチュアトップが差をつけて勝っているところをみれば、実績を積ませて育てるような相手がもういない状態になってしまう

今回昨年甲子園準優勝した大村修輝がプロデビューにしてWGPのトーナメントに出る意味もこの事でもある

もしプロ>アマチュアという理屈が当てはまっているなら、既にプロで数戦してる選手がアマチュアトップに差をつけて負けているところをどう説明できるのか

このような事になってる時点で、その辺の名ばかりプロよりもアマチュアで実績がある選手の方が強いと答えは出ている

デビュー時期も戦績も全く同じ同士であれば、実績作りや育てるためのマッチメイクも出来るが、さっきも言ったようにアマチュアトップのレベルはプレリミナリーを超えている

マチュアトップのデビューがこれからまた増えれば、今回のバンタム級トーナメントでデビューする大村のような飛び抜けた選手も出てくる事になる

 

②ベテラン選手と結果が出ない選手の大量リリース

マチュアトップのデビューや昇格が増える一方でアマチュアトップに負けるようなベテラン選手や結果の出ない選手はK-1Gから脱落するか現役を引退するかの2択しかなくなる

これは他団体から来た選手も含む

先に既にプロで数戦してる選手がアマチュアトップに差をつけて負けているところをみれば、実績を積ませて育てるような相手がもういない状態になってしまう部分に触れたが、マッチメイクする側もこのような選手のマッチメイクに困ってしまう

ここからこれらの層が生き残るには、

今までやってきた事は全て捨てて0からやり直す覚悟(練習環境、マインドセットを変えるとか)が最低限ないとこれからのK-1Gで闘っていく事は難しい

 

③プロデビューの基準値高化

①でアマチュアトップがプッシュアップされ、②でベテランクラスや結果が出ない層がリリースされる新陳代謝繰り返されるという事は、プロデビューの難易度も上がる事になる

マチュアトップがプロデビューするには、チャレンジAクラス、甲子園、カレッジの各カテゴリーのトーナメントで最低でも上位入賞する事が条件だが、これからはその上位に入る事も難易度がより高くなる

K-1アマチュアはK-1Gの選手層を底上げする核的な存在といえ、現在参加者も年々増えていきアマチュアの層が拡大してきている

ここで優勝するような選手は当然その辺の名ばかりプロよりも強い

キッズ部門でも最近ではK-1ジム大宮チームレオンの少年部通称リトルレオンがキッズの階級を総なめにして独走状態となっているところもあり少年部からキャリアを重ねていく選手も増えてきている

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そこらから更にキッズ→ジュニア→一般と学年が上がったり、新しい選手の参加で更に選手が増えていき、現在は東京と大阪の2箇所しかないが九州、中日本、北日本と地方にもアマチュアができるようになれば(早くやって欲しい)、地方からの参加も増えてくる

少年部でも独走していくリトルレオンに対抗する選手やジムも負けじと出てくるようになれば、(ていうか出てきてもらわないと)

より競争率も数段上がっていく

個人的には甲子園、カレッジ前あるいは同日に全日本予選をやったり、コロ助騒ぎの中で練習ができない選手やジムもある為、参加者が減ってるのが心配ではあるが、、

このようにアマチュアの選手層もレベルも年々上がっていきどのカテゴリーにしても上位に入るも難しくなっているので、

もしプロのK-1ファイターになりたいという人は、早くプロになりたいという考えは捨てて、キャリアを積んでアマチュアトップになるという考えに改めた方がいい

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実際ボクシングでも、アマチュア経験なしのA級以上のボクサーが高校大学のボクシング部で実績のあるアマチュアトップに子供扱いされるというケースも珍しくはないし、本場アメリカでは、それこそアリやタイソンにロイジョーンズJrの時代ではオリンピックやアマチュア世界選手権でメダリストになってからプロデビュー→世界王者になるのが常識だった

最近頻繁に出てくるメイウェザーJrもプロデビュー前はソウルオリンピックで銀メダルまで行っており、400戦弱こなしてるワシルロマチェンコもそれこそプロデビューしてたった2戦目で世界タイトルに挑戦している

これはそれだけの経験値によってそれだけの実力があるという事

K-1Gでも本格的にこれを目指していくという事になるだろう

 

④大久保琉唯の存在

①と②を踏まえ、③の後編みたいになるが、

現在のアマチュアトップ選手の中で、プロデビューしたらやばいと言われる1人の選手の存在によって、K-1Gの選手層にとって大きく影響する事になる

それが大久保琉唯の存在

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大久保(左)(右は弟)は現在高校一年生で栃木のK-1ジムウルフ所属

今年4月のBクラス全日本王者で、5月の東日本予選では圧倒的な実力で優勝している

この選手の戦績は既に100戦を超えており、試合ペースもほぼ月一で毎回トーナメント

その内ムエタイ系の大会で大量のベルトを獲得している

K-1アマチュア部門設立以来、史上最強の男で近藤魁成が成しえなかった甲子園三連覇、高校在学中にK-1王者の偉業を達成できる最有力候補でもある

バンタム級日本トーナメント終了後(おそらく年内に世界トーナメントは難しい)、今年のK-1甲子園、9月のAクラス全日本トーナメント終了後は秋〜冬のデビューが予想されるが、この選手がプロのリングに投下されるという事はK-1Gの55kg以下の階級の層に影響を及ぼす

マチュアキャリアが3桁を超えるだけに、それ程脅威的な存在と言える

個人的には今回のバンタム級トーナメントの裏ボスとも言え、優勝者と闘うと考えるとまた面白い

また、こういう選手が出てくるという事は1人だけ独走させてしまうと競技としてのレベルが停滞してしまう為対抗するライバルも必要となり、更に選手の育成に力を入れなければならない

そうなればアマチュアキャリア100〜200戦を超えなければアマチュアで優勝する事も難しくなるが、先も言ったようにアマチュアのレベルが上がる事によりプロデビューの基準も高くなり競技としてのレベルが上がる文字通り「強い奴しか上がれない完全実力主義のリング」となれる

 

以上が今回のWGPのコンセプトと、それによるK-1Gの改革

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そして今回のトーナメントの予想は別記事に書くが希望だけを書くと、

第一、第三は希望が難しいのでなしとして(橋本が欠場させられたので第一は大村に希望)

第二試合→あっくん

第四試合→池田

を希望とした

この理由は

今回K-1アマチュアトップ総出の日本トーナメントという事に意味があるが、その中でもAクラス全日本またはトーナメント、甲子園、カレッジにて王者になった選手が残る事に意味がある

https://youtu.be/gwXJL9LPDbM

最終的には誰が誰が勝っても良いのだが、誰が勝つというよりはアマチュアトップのレベルがどれほどのものか

まさにK-1アマチュアトップ勢によるK-1MAXという新学期のスタートになるので、最後は誰が勝っても内容で神興行を打ち立てて欲しい

言わばこれが希望となる

 

K-1が競技化されただけに、格闘技界の歪んだ常識を超えて100戦前後のアマチュアトップが夢を見れるようなアメリカのボクシングのような世界観となって行くだろうが、

ここから如何にアマチュアを大きく出来るかがK-1Gの発展の条件となる

未だに的外れな声が多いが全ては5.30に答えが出る